4・青が散る(宮本輝)

周りに輝さんのファンが何人かいるんやけど、「螢川」ではあんまり良さがわからなくて、遠のいていました。で、たまたま手にとったこれ。

分厚いので、途中で挫折するかもな。と思ってた。
けど。ひきこまれる。ぐいぐい。

最後の最後に大きいどんでんかえし?が二つほどあって、でも無理やりなまとめ方でもなくて、これぞ小説!見事!!ってカンジ。
何より、主人公燎平の、大学生ならではのまっすぐさがいいです。
大学時代好きやった人と、少し似てるな。と思いました(こんなところでこっそり告白)。

「この四年間は、恥ずかしいことばっかりしてきた気がする」
ラストのこのセリフに、やけに共感しました。
今思えば、いろんなことでいちばん自己嫌悪に陥ったり、いちばん悩んだりしたのが大学時代です。
でも、いつに戻りたいかと言われると、やっぱり大学時代かも。

思いきりバレーをしたり、テスト前に一夜漬けしたりしたあの日々は、まさに「四年間の休暇」だったんだなーと思います。 (07.4.2)
新装版 青が散る (上) (文春文庫)  新装版 青が散る (下) (文春文庫)