寂聴源氏7

雲居の雁がカワイイ。
手紙うばっといて、夕霧めっちゃ困ってるのに
子供の世話ですっかり忘れてるってとことか。
浮気された…ってうじうじ悩んだりしてないのが
この時代の女っぽくなくて好感が持てる!!

夕霧も
「心は鬼やけどカワイイからなぁ」
みたいなセリフがいいわぁ。
もう、めっきり男らしくなってしまって(*^_^*)

それに比べて、源氏はどんどん情けなくなって。
ほんまに紫の上を愛してたんやなーとはわかるけど
明石の君のところへ行って何もなく帰ってくるところで
このひと終わりやな…と思った。

「幻」の巻は
月ごとの行事がさらさら書いてあって
月日の流れの速さと茫然自失な源氏の対比が
さすがうまいな〜と思ってたんやけど
最後の最後に源氏が登場するのね。
で、やっぱり源氏は美しい、と。

「正月はじめにする行事のことを、例年にはなく格別にしようと、お命じになります」

何でもない描写やけど、じーんとしてしまった。
これまで何回、源氏むかつくっ!!と思ったことか。
でも、読者としては、「女の敵」であり続けてほしいのよね。
だから最後に出家する、ってふっきれて
えらそうに「お命じになる」。
これは本当にいいラスト。
これが源氏の最後の姿。

あと、源氏の死後は、なんせ匂宮が光ってるわ。
めっちゃ源氏の孫!って感じの振る舞いやのに
こっちはあんましむかつかない。なんでやろ??

ほんとにめっちゃネタバレですみません。(07.9.17)
源氏物語 巻七 (講談社文庫)