寂聴源氏9
「宇治十帖」になって、ずいぶん読むの止まってたのだけど
月一回の懐徳堂講座で刺激を受けて、続きを読み始めることにした。
浮舟が登場するあたりから、やはり引き込まれる。
たぶん、十年前に通して読んだつもりやったときも
宇治十帖はかなり読み流してたんやろうなー。
あんましストーリーの記憶がない。
なんで大君・命やった薫が、浮舟とはあっというまに結ばれてしまうのか、
そのへんの必然性が、今回初めてわかった。
まず、三姉妹の中で
いちばんかわいいな〜、幸せやな〜と思うのは中の君。
匂宮はフラフラしてても、結局ちゃんと彼女のところに戻ってくるんよね。
で、前も書いたけど、私は薫がニガテ。
大君のことが忘れられない・・・とか言って、中の君を襲おうとするのが一番ありえない。
あと、浮舟を宇治に隠しておくのはいいけど、
誰にもばれてないからって月一回くらいしか(←想像)通わないで、「あいつオレのものだし」みたいに安心しきってるとこもイヤ。
匂宮の方が断然キビシイ身分やのに、ムリして会いに来てくれるもんなぁ。
そら、浮舟もなびいちゃうわ〜。
匂宮と、浮舟が、小舟に乗っていくところは
(しかもお姫様だっこ★)本当に絵になる名場面。
ここらへんで、「ごめんなさい、宇治十帖!!あなどってました!!」と言いたくなった。
そして、浮舟がいなくなったときの二人の対照的な反応(それとお互いへの駆け引き)が一番おもしろい。
私は侍従と一緒で、匂宮びいきだけど、
匂宮は浮舟が「他の男のモノ」だからあんなに燃えてたわけで、
自分のモノになったら醒めちゃいそう。
やっぱりある程度のところで浮舟は我にかえって
薫と一緒に暮らした方がよかったんだろうなぁ。